コラム
『俵ランド物語』(たわらんどものがたり)  筆:うつみしこう
                      自由庵憧鶏
                                              じゆうあんしょうけい

Vol.26 ロッジ・『せせらぎ』の移築を‼︎
-Let’s relocate the Lodge Seseragi !! -


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今回も前回につづく、俵津の上空を飛んでいる妄想コンドルの夢物語です。

 俵津のみなさんに是非聞いていただきたいことがあるんです。ぜひご意見を聞かせていただきたいことがあるんです・・・そんなことつぶやきながらコンドルは飛んでいます。

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 新田の奥は長尾地区、砂防ダム湖を見下ろす高台に白く愛らしいこせがれハウス=ロッジ「せせらぎ荘」があります。新田の若者たちが活躍し一世を風靡した舞台となった建物です。これが解体撤去されるという話をごく最近耳にしました。ああなんとモッタイナイ。残念だなあ。なんとかならないのかなあ。・・・そんなこと思いながらヒョロロロローと飛んでいて、突然〝妄想〟が浮かんだのです。公民館の敷地にあるおんぼろスマイル・ハウスを取り壊して、かわりにこれを移築したらどうだろう!と。

 青年団や老人会が使っていて、使われなくなって物置と化していた小屋が命を吹き返して「スマイル・ハウス」となったのが5年ほど前。今では若者を中心に俵津の多くの人たちが利用する語り場・飲み場・夢見場・・としてなくてはならないものになっております。これが、すきま風が吹きこんだり、雨漏りがしたりと、老朽化をはじめております。

 〝イナカ・ユートピア俵津〟の発展は、ひとびとの酒を飲んだ量と話した量に比例する、というのは、まちづくりの「必勝公式」です。
 公民館があるではないか、という人がおります。が、そこはいろいろな制約があって時間も夜10時マデシカ使えない。「いい話」はそれ以降に始まるものです。深い夜が、深い話を生む、これもまたまちづくりの大きな「必勝公式」です。

 ゼニはあるのかい?!
 なんとかなると思います(誠意と熱意をもって対応すれば)。

①「俵津区葬祭組合」の残した340万円を使わせていただく。
②「俵津スマイル  いいまちづくり隊」もいくらか都合をつける。
③「俵津財産区」もお願いします。
④有志が出し合う(1万円出してくれる人が百人いたら百万円)。
⑤九区のような裕福な区が少し出していただけたら・・ !!。
⑥その他(みんなが知恵を出し合えばまだまだあると思います)。

 俵津葬祭組合長(代表区長)さん、運営管理者の老人クラブ会長さん。スマイル会長さん。財産区委員長さん。九区長さん。俵津の有志のみなさん。いかがでしょうか。お願いできませんか!!

 偉そうなこと言って申し訳ありませんが、お金というもの、使い時があるようです。いまが一つの、その時であるように思います。

 二つの建物の解体と資材運搬(基本工事はもちろん業者がやります)などは、俵津地区民有志のみんなで力を合わせて交代で二日ほどづつ出ましょう。

 新しい移築した建物の間取りなどは、みんなで考えましょう。せせらぎ荘の風呂場などいらない部分は、防災用品を入れる倉庫などにしていいと思います。

 管理運営の仕方は、現在のスマイルハウスの使い方でいいし、必要であれば新しく出来ているという俵津こせがれ会や青年会が運営管理者になってもいいと思います。

 その他難しい話は、その都度みんなで考えていきましょう。きっととてもたくさんの方のご協力がいることだと思います。

 以上が、妄想コンドルが思ったことです。
 考える時間は、そんなにないのかもしれません。

 ここで、こせがれハウス=ロッジ「せせらぎ荘」ができたいきさつを話しておきます。1994年のことです。無茶々園が運動して、国の補助事業が認可され、狩江のお伊勢山のふもとに「農林体験実習館」ができました。その付帯事業としてロッジと市民農園プランがあり、それを「新田こせがれ会」が引き受け建設のはこびとなったのです。
 こせがれ会は、新田の百姓を中心とした若者11人が起こしたまちづくりグループでした。みかんの生産や販売の勉強会(講演会・先進地視察)をしたり、各地から人を呼んでの交流会をやったり、ダム湖の上の耕作放棄された田んぼを借りて芋(紅あずま)やキヌサヤをつくって販売したり、タラの芽栽培をしたり、新田の振興策(新田虹の里構想)を練って「新田ふるさとまつり」をやったり、ホタルの養殖をしたり、・・さまざまなことをやりました。ロッジはこせがれ達の酒を飲み、歌を歌い、夢を語る梁山泊でした。
 ロッジはまた地域の人たちや地区外の人たちにも利用していただきました。俵津に家を持たない人が親戚の法事などに帰郷した際の宿として。カラオケ会の練習場として。PTAのホタル観賞会、子供たちの夏休みのグループ学習会の場として。エトセトラ。
 市民農園も、野菜作りを趣味とする人たちによく利用していただきました。

 「新田こせがれ会」と「無茶々園」と「明浜町青年海外派遣協会」の三つの団体の華々しい活躍は、明浜町に平成六年度の「毎日地方自治大賞・特別賞」をもたらしました。

 しかしながら、あれからン十年、みんな年を取りまして、新田こせがれ会は解散。ロッジも使われなくなりました。
 聞くところによると、俵津に第二世代の新しい「こせがれ会」が誕生しているとのことです。なんとも頼もしい限りです。

 ※「毎日・地方自治大賞」とは、毎日新聞が主催し総務省が後援する新時代の地域づくりをめざし、地域独自の優れた事業や、活動、企画を進めている地方の時代を担う全国の市町村を顕彰するものです。

2017.3.25 自由庵憧鶏(じゆうあんしょうけい)


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